医業にも原価計算が必要でしょ?

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私事ですが、弟が歯科医として開業しているため弟の病院の経理の方も見させていただいてます。
当事務所には他にも何件か医業のお客様がいますが、開業時から任せてもらうのは医業では弟の病院が初ということになりました。
会計システム導入時に原価項目をどうしようか、少し悩みました。

小さな事務所ゆえ、関与している医院はいずれも個人経営規模の医院ばかりです。
そこでは原価計算を意識した経理はされてきていませんでした。
ぱっと見て変動費と固定費の区別もつかない・・・
それってどうなの?・・・と。

製造業なら製造原価を把握しておく事は当然に必要となってきます。
原価計算をせずに会社の舵を取れるわけが無いです。

医業の世界ではどうなのでしょう?
個人的には医業であろうと医院の経営をするためにはこれらを把握しておく必要があると思っています。
他の業種でもそうですが、変動費と固定費すら把握していなければどのように先を見据える事ができるのでしょうか?
自社で行っている業務をアウトソーシングした方がいいのか判断するときには変動費や固定費が判断材料になります。
そこに発生する固定費が変動費を上回っているのであれば思い切ってアウトソーシングしてしまった方が利益を生みます。
もちろんそれだけで判断したらいいというものでもありませんが、判断材料の1つにはなります。

医業の世界でも業務の一部をアウトソーシングすることがあると思います。
例えば歯科医院の場合、技工士を雇うほうがいいのか外注にした方がいいのか。
技工士を雇っていれば固定費が発生し、外注にすれば変動費が発生します。
雇うか外注か・・・

もちろん世の中利益を上げるだけが全てではないですし、医療という分野では特にそう考える人もいるのかもしれません。
ですが、それはお医者様の考え方であって経営者の考えではありません。
どんな業界でも頑固なまでに職人といわれるような方はいます。
それを否定するつもりもありません。
税理士も同じで、独立開業したからには税理士だけやっていればいいというものではなくなります。
自分も一経営者として事務所経営をしなければなりません。
しかし、税理士としてのスキルに長けている先生、事務所経営に長けている先生ともに尊敬できる素晴らしい先生だと思っています。

独立開業したからにはお医者様にも経営を行う責務があります。
自分のもてる力全てを治療に注ぐ医師になるのだから経営は知らない!
一人ならそれもいいでしょうが、人を雇うのであれば医院の存続は一人の問題ではなくなります。
忙しいかもしれませんが、経営にも目を向ける必要があるのです。
ですが、全て一人で抱え込む必要もありません。

税理士が関与しているということは税金の計算を任せているだけではなく、単なる経理のアウトソーシングではなく、経営者のパートナーが居るという事でありたいと思います。
それが税理士としての使命だと思っています。

大きな病院では早くから原価を意識した会計が取り入れられています。
ウチは個人経営の小さな医院だから・・・
いえいえ、だからこそ税理士が医院経営に必要な気付きのキッカケとなる数値を提供する必要があるのではないかと思うのです。
自分が担当させて頂くこととなった所からではありますが、少しずつ事務所が提供しているサービスの品質を改善していきたいと思っている今日この頃。

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